2019年 03月 22日
「太陽のパスタ、豆のスープ」 |
インスタグラムって
フォローしてない方の投稿も
「あなたにオススメ」とかいうところの機能で
見れるじゃないですか。
たぶん、そこで
この本の表紙の画像を見かけたのでした。
「太陽のパスタ、豆のスープ」
内容もまったくわからなかったけど
なんとなくこの表紙とタイトルが良くて
メモしていたんですね。
それで、先日たまたま家族の付き合いで
本屋に行った時に
ふとこの本のことを思い出して
探してみることに。
タイトルから、勝手に料理本だと思って
料理コーナーに行って散々探したけれど見つからず
店員さんに尋ねて探してもらったら
なんと、小説でした。笑
もうずっと、小説は読んでいなかった私。
もともとはすごく好きだったのだけど
ハマってしまって途中でやめられなくなって
他のことが手につかなくなるので(笑)
読むのを避けてきたのですが
なんとなく、これは読んでみようかなと
いう気になったのでした。
***
主人公の あすわ が、結婚式寸前で
婚約破棄をされて
まさにどん底状態になるのですが
それをきっかけに
元の状態に立ち直る、というよりは
そもそもの、ふりだし以前にまで遡り
“自分”という人間のことに
初めてちゃんと向き合い、対話し
自分で選んでいく、
ということをしていくようになる
その経過が、とてもリアルに
(というのは小説だからちょっと表現が変かもですが)
丁寧に描写されていて
じんわりと、しみじみ良い小説でした。
実はですね、
どんな内容かも知らず
読み始めたのですが
出だしが少し重くて(婚約破棄)
その時の様子が
昔の私自身のことを思い出して
キリリと胸が締め付けられて
(実は私、過去に、別れ話を切り出されて
生まれて初めての過呼吸を起こし
死んでしまうんじゃないかと
その時思いました。
いや、正確にはもう少しどこか冷静な自分がいて
死なないのはわかっていて
でもこのまま死んでしまいたいと思いました。笑)
少しでも立ち読みしてから買えば良かったなぁと
最初は少し後悔しましたが
主人公あすわの心の動きが
じわりじわりと感じられ、
惹きつけられていきました。
どこか自分に似たところを感じて。
***
最初は相当卑屈に
自棄になっていたあすわですが
叔母の六花(ロッカ)さんの提案で
ドリフターズ・リスト(やりたいことリスト)
を書くことに。
ドリフターズとは「漂流者」のことで
海に投げ出されて漂流している者が
すがり、拠り所にするもの。
始めは、やりたいことすら何も思い浮かばない。
こんな状態だから思い浮かばないのか
いや、そもそも自分には
今までだって、やりたいと思うようなことも
なかった
自分には、特技も趣味もなかった
と気づいて
なんでもいいから
まずは思いつくことをリストに書いて
ひとつひとつやっていこう
と思えるようになり
そのひとつひとつをやったり
リストを書き足したり、消したり
日々の中で感じたこと、考えが
ありありと、いきいきと描かれています。
日常の中での出来事
人とのかかわりで
感じることや思うことって
いろいろありますよね。
気持ちが動いていく過程が
とても丁寧に描写されていて
それは、例え読んでいる私が
感じることとは違っていても
とても近いところで
愛おしく思えたり。
そんな、読んでいく自分自身の
心の動きもまた
いいひとときでした。
そんなに分厚くないので
数時間で読めてしまうので
ご興味を持たれたら
ぜひぜひ読んでみてください。
オススメです。
***
私が大好きな、自然素材のお洋服に
「あすわ」というのがあって
主人公の名前と同じで
親近感がわきました。
いやぁ、とても良かったです。
by SolaTsuchi
| 2019-03-22 22:20
| いろいろ・つれづれ
|
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